臨場感を上回る“超臨場感”
クラシック・バレエの中でも最も有名な作品「白鳥の湖」。この人気演目を、350年以上の歴史を誇り、世界最高峰のバレエ団と呼ばれるパリ・オペラ座が上演し、IMAX認証カメラで収録したのが本作だ。
バレエ作品が「Filmed for IMAX」作品として劇場公開されるのは、今回が世界初となる。収録されたのは、今年6月の最新公演。
伝説のバレエダンサーであるルドルフ・ヌレエフの振付だけに、音の一つひとつにパ(ステップ)を割り当てるなど、高度なテクニックが要求される本プログラムだが、そのハイレベルな技を難なくこなしているのも、世界最高峰の名門バレエ団ならではである。
IMAXスクリーンで上映される本作では、この素晴らしいパフォーマンスを、観客席の最前列で見ているかのような臨場感が味わえる。いや、臨場感を上回る“超臨場感”とでもいうべきだろう。
ダンサーの表情や手足の動きをクロースアップでとらえたカットや、群舞が生み出す幾何学模様を真俯瞰したカットなど、劇場の座席からは見ることができない映像もふんだんに収められているからだ。
その流れるようなカメラワークは、時に自分も群舞に混じって踊っているかのような感覚へと誘ってくれるかもしれない。
主役の白鳥=オデット/黒鳥=オディールを演じるのは、韓国出身のパク・セウン。パリ・オペラ座で初のアジア人エトワールである。
柔軟性と強靭さを併せ持ち、かつ繊細な表現力に恵まれた、注目のダンサー。オディールとして32回転のグラン・フェッテを鮮やかに決める場面は圧巻だ。王子ジークフリートを演じるポール・マルクとの息もぴったり合っている。
今回の上映は7日間限定。古典バレエの名演を大スクリーンの迫力ある映像と音響で体感できる貴重な機会だ。
パリ・オペラ座「白鳥の湖」IMAX
2024、フランス
監督:イザベル・ジュリアン
出演:パク・セウン、ポール・マルク、パブロ・レガサ
公開情報:2024年 11月8日 金曜日 より7日間限定公開
公式サイト:https://tohotowa.co.jp/parisopera/movie/swanlake/
コピーライト:© Natalia Voronova
配給:東宝東和