日本映画

映画レビュー「片思い世界」

2025年4月3日
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脚本・坂元裕二と監督・土井裕泰が4年ぶりにタッグ。広瀬すず、杉咲花、清原果耶のトリプル主演で描く、希望と再生の物語。

謎が腑に落ち、世界が一変

大きな古い屋敷で暮らす美咲、優花、さくらの三人。それぞれ22歳、21歳、20歳。だから学校の同級生ではない。では三姉妹かというと、それも違う。12年前に児童合唱団に所属していた仲間なのだ。それが、なぜこの大きな家に同居しているのか? そもそもこの屋敷は誰の家なのか?

美咲はオフィスワークに就いており、優花は大学生、さくらはバイトをしている。それぞれ自分の道を歩みながらも、自宅ではともに食事を楽しみ、団欒のひとときを過ごしている。

年頃の若い女性たち。美咲には気になる男性がいる。通勤バスで乗り合わせる青年だ。だが、引っ込み思案なのだろう、美咲は話しかけることもできず、ただ見つめているだけ。さくらも優花も、そんな美咲に告白するようけしかけるのだが、美咲を動かすことはできない。

実は、その青年・典真には付き合っている女性がいた。そのことを、さくらは典真のスマホを覗いて知り、さらにその女性が浮気していることまで知ってしまう。居ても立ってもいられないさくらは、美咲を連れて二人のデート現場へと踏み込むのだが――。

最初は不思議なメルヘンのような世界にワクワクしながら見始める。すると、ところどころ何となく不自然な部分に気付かされる。なぜなのかは分からないが、普通ではないことは確か。それが、いよいよはっきりするのが、このデート直撃シーンである。

青年に話しかけられない美咲。車の中に置き去りにされた赤ん坊を助けられない三人。すべての謎が腑に落ちる、すると、にわかに映画の世界が一変するのでる。

若い女性三人のハッピーな物語。それは決して間違いではない。だが、その根本には三人の凄絶な過去がある。その過去は克服できるのか? 本作は、その挑戦と希望を描いた作品だ。

「花束みたいな恋をした」(2021)の坂元裕二と土井裕泰が再びコンビを組んだ強力作。広瀬すず、杉咲花、清原果耶という、売れっ子女優三人の競演も見ものだ。

映画レビュー「片思い世界」

片思い世界

2025、日本

監督:土井裕泰

出演:広瀬すず、杉咲花、清原果耶/横浜流星/小野花梨、伊島空、moonriders、田口トモロヲ、西田尚美

公開情報: 2025年4月4日 金曜日 より、TOHOシネマズ 日比谷他 全国ロードショー

公式サイト:https://kataomoisekai.jp/

コピーライト:© 2025『片思い世界』製作委員会

配給:東京テアトル、リトルモア

文責:沢宮 亘理(映画ライター・映画遊民)

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